大衆性のないT.O.Pの『DOOM DADA』が音楽配信チャート1位を獲得したことが意味するもの
[OSEN=이혜린 기자] BIGBANGのメンバーT.O.Pが「大衆性が全くない」ソロ新曲『DOOM DADA』で韓国の音楽配信チャート1位を総なめにし、話題となっている。
スター性より大衆性がもっと重要だと言われてきた韓国の音楽配信チャートで、このように独特かつ難しい曲が、1日以上1位を記録しているのは、とても異例のことである。
11月15日正午にリリースしてから、韓国の8つの音楽配信チャートで1位を席巻したこの曲は、16日午後現在までMelOnなどで首位をキープしている。簡単に真似することができないほどのラップに、幻想的で奇妙だとさえ思われるサウンド、風変わりなミュージックビデオなどから見ると、とても不思議な成績である。
この曲が1位に輝いたのは、最近人々の嗜好が変化しているということを示唆する。これまで、音楽配信チャートを総なめにする「大衆性」とは、大衆が好むコード、パターンやジャンルを活かして作る中毒性のある「フック」を意味したが、T.O.Pの『DOOM DADA』が、非常に意義深い例外を作り出したのである。
これは、所属事務所にとっても予想外の成績だった。これまでT.O.P自らも「大衆性のない音楽」だと説明し、所属事務所もこの曲のティーザーを公開する際「ユニークな、独特な曲になる」とあらかじめ強調するなどチャートの成績にこだわらない姿を見せたが、以外の成績に驚きを隠せない様子だった。
今まではアーティストの価値観と大衆性が対立していると思われていたが、『DOOM DADA』は粘り強くアーティストの色を貫いた結果、大衆がそれをそのまま受け入れたケースであると、良い評価を得ている。
実際オンライン上では、この曲の音源とミュージックビデオに対する好評が相次いでいる。まるで、呪術を唱えるような歌はもちろん、照明一つだけでまた違う雰囲気を醸しだすT.O.Pの顔立ちを100%活かしたこの奇妙なミュージックビデオは連日話題となり「T.O.Pだから出来る」との評価を受けている。
T.O.Pは自らこの曲の作詞だけでなく、BIGBANGの『BAD BOY』、G-DRAGONの『ONE OF A KIND』などを作曲したCHOICE37と共に作曲も手がけた。『DOOM DADA』は、現代の大衆文化に対する彼自身の考えを表現し、ラフでありながらも抽象的な歌詞と超現実的な雰囲気のメロディでアグレッシブな雰囲気を演出した。
彼は、ミュージックビデオの撮影にも積極的に参加した。普段家具に関心を持っていたT.O.Pは、彼自身の家具コレクションのうち、アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)とサルバドール・ダリ(SALVADOR DALI)の家具をミュージックビデオで公開した。中でもハイライトと言えるのはキム・ファンギ画伯の「鹿」という作品が登場したことだ。韓国の抽象芸術のパイオニアとして評価されるキム・ファンギ画伯は、T.O.Pの母方の祖父の叔父で、今回の曲に登場する「非凡なコリアン」という歌詞を通じて尊敬の意を表した。
また、 スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督の代表作「2001年宇宙の旅」やキム・ジウン監督の「グッド・バッド・ウィアード」などを連想させるパロディーで注目を集めた。11月22日に香港で開催される「MAMA(2013 Mnet Asian Music Awards)」では人類の進化を遡り、現代大衆文化の退歩を表現する象徴的なパフォーマンスを披露する予定。
T.O.Pは、16日から日本で77万人を動員するBIGBANGのドームツアーに参加する。BIGBANGのドームツアーは、それぞれのメンバーが成功を収めたソロプロジェクトに次いで、規模もますます大きくなっており、注目を集めている。所属事務所は今回の成績について、もうデビューして8年目となるものの、依然として「ホット」なBIGBANGの現在進行形の発展がT.O.Pの『DOOM DADA』にも良く表れた結果であると解釈した。
2013. 11. 16.