[SC焦点]「思考の思春期」AKMUの世界は逆に回る
[스포츠조선=박영웅 기자] AKMUの世界は逆に回る。生まれた時からカムコーダで日常を記録していたらどうたったのだろう(『Live』)という想像からアメリカーノよりホットチョコレートに近い恋に対する定義(『CHOCOLADY』)まで、世の中を見つめる兄妹の目はとても純粋だ。下品な流行語から答えを見つけなくても、刺激的なMSGを加えなくても、十分に感性をタッチする音楽。AKMUの新アルバム『思春記』は化学調味料の入ってない天然音楽だと言ってよい。
「純粋な音楽の本質を守りながらスペクトラムを広げたかった」というLEE CHANHYUKの話のようにいろんなジャンルに挑戦したが、AKMUならではの個性はしっかり出している。機械音などは入っていない爽やかな音楽には刺激的なポイントは一つもない。ただ兄妹の目で見た日常の発見、喜びや悲しみの感情を静かに心に刻んでいる。無理やり耳に残るサビを入れたり、すぐにでも涙が出てきそうな感情を入れ込まなくても悲しみを伝えられる高級技である。
デビュー初期の音楽はユーモラスな10代の歌だったとすれば5年が経った今のAKMUの曲は大人までしっかりカバーできるものになったと言える。ギターの旋律や思わずぷっと笑ってしまう面白い歌詞にユニークなリズムのラップまで加わった曲はもはや本当の思春期を経験したかのようにさらに成長した。AKMUが語る「思春期」とは10代にやってくる敏感な時期ではなく、「多くなった考え事」に焦点を合わせたキーワードだ。誰もが経験する「思考の思春期」つまり「思考に春がやってくる時期」を指す言葉だ。
これまでセンスが際立つ自作曲で話題を呼んだAKMUは今回斬新な発想だけでなく、一層成長した感情を表現し、日常の話を盛り込んだ。前作の『思春記(上)』と同じく、メンバーLEE CHANHYUKが全曲を作詞・作曲し、AKMUの世界観を見せようとした。LEE CHANHYUKが書いた成長ストーリーにLEE SUHYUNは爽やかで綺麗な歌声を加え、アルバムを仕上げた。より幅広いアプローチとウィットに富んだ表現力は依然として聴き手を十分に楽しませている。
「スマートフォンで通帳の残高を照会するときは画面の明るさを最低にしなければならない」(『Reality』より)と素直に語る一方、「星一つあって君一人いるあそこが僕の長い夜だった」(『Last Goodbye』より)とけっこう大人っぽいことも言える20歳のLEE CHANHYUKの目から8曲の歌詞が出て来た。収録曲には難しい歌詞などはない。だからこそ単語一つ、言葉一つ一つが耳にさらに強く残る。トラックリストの順番まで細かく考え、配列したストーリーテーリングも印象的だ。生まれた瞬間から成長し、家に帰ってきて過去の思い出を振り返る時間の流れで進んでいる。
好きな人の前では何も言えない外国人になってしまうと言っていた10代の兄妹がいつの間にか日常を歌うミュージシャンへと成長した。エモーショナルなメロディーの他にも注目すべきことはLEE CHANHYUKが書いた歌詞だが、全曲は非常に個人的でありながらしっかり皆の共感を得ている。何か熱く胸に響くものではなくても落ち着きがあって共感を刺激する。大げさではなく、素直だが、感情をそのまましっかり伝えている。ただ素朴なAKMU兄妹の現在が盛り込まれている自己告白である。
2017. 1. 3.