PEOPLE 2014│① ヤン・ヒョンソク、今年の問題的な人物

2014-12-09 12:50 pm
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[아이즈 ize 글 황효진]「2014年は、YGにとっていつにも増して重要な年になると思います。要するに、YGの今後の10年を決める大きな『賭け』となる年だと言えます」。年初、YGエンターテインメント(以下、YG)のヤン・ヒョンソク会長(以下、ヤン・ヒョンソク)が公式ブログ「YG LIFE」に書いた文だが、これがまさに現実となった。2NE1、SOL、EPIK HIGH、WINNER、楽童ミュージシャン、HI SUHYUNなど、YGミュージシャンの歌は1年中音楽配信チャートの上位にランクされていた。YGの今年の売上がSMエンターテインメント(以下、SM)を越えたわけではない。しかし、これまで一つのチームのアルバム製作にもかなりの時間がかかり、その日程すら頻繁に延期されたため「悪魔の演技」とのあだ名まで付いたYGは、今年休む間もなく新しい音楽を発表し、音楽のカラーもまちまちだったにも全て成功を収めた。何より、楽童ミュージシャン、WINNER、間もなくデビューするiKONまで、新人ミュージシャンを多数披露した結果である。ヤン・ヒョンソクの「賭け」は高い収益として戻ってきた。

「賭け」に使うお金は無限競争のサバイバルショーだった。ヤン・ヒョンソクはまるでギャンブラーのように、リスクが高いサバイバルショーに所属歌手を次々と参加させた。WINNERはMnet「WIN」で勝利したAチームで、当時BチームだったB.IとBOBBYは負けてから「SHOW ME THE MONEY3」という既存のラッパーとの荒い競争に出され、そしてまたiKONの最終メンバーを確定するサバイバル「MIX&MATCH」に参加した。反対に、イ・ハイと楽童ミュージシャンはサバイバルオーディション番組SBS「K-POPスター」の参加者だった。「私がサバイバルを好んでいるという話をよく聞きました。(中略)しかし、傷がある子たちをもっと強くするのがサバイバルでもあります。これまで、そういう過程を通じて期待以上の成果を得たのも事実です」(「MIX&MATCH」)製作発表会にて)というヤン・ヒョンソクの言葉は彼の経営方式をありのまま表している。生き残れ、さればとスターになれる。

ヤン・ヒョンソクが競争の場を自ら設計した「WIN」と「MIX&MATCH」は、彼の方式そより明確に見せている。彼は「月末評価」などの競争で勝者を選び、敗者にはより優れた実力を見せるよう求めて勝者にはデビューはもちろん強力なプロモーションで音楽配信チャート1位という確実な補償を与える。その間「ヤングン」「ヤンサ」と呼ばれたヤン・ヒョンソク会長の親密感あるイメージはなくなっていった。舞台で力強くラップを披露するBOBBYとB.Iも「WIN」と「MIX&MATCH」でヤン・ヒョンソク会長の評価を聞くときは緊張した姿を隠せなかった。BOBBYとB.Iが競争の勝者だとすれば、ヤン・ヒョンソク会長は競争そのものを作り出した造物主のような存在となった。それだけ、競争を誘導する彼の方式は視聴者の脳裏に鮮明に刻まれ、それは賛否両論と副作用を起こさざるを得なかった。繰り返されるサバイバルの過程でWINNERとiKONのファンダムは激しい対立を見せた。ヤン・ヒョンソクは冷たいプロデューサーだという非難を逃れなかった。さらに、パク・ボム(BOM)のアンフェタミン搬入に関する件が起きた当時、ヤン・ヒョンソクがブログに掲載した内容は彼に対する非難をより激しいものにした。彼はSBS「ヒーリングキャンプ」で素朴な私生活を公開したが、彼がギャンブルの成り行きを左右する「大物」だという事実は誰もが知っている。

しかし、アイロニカルにも論争や議論が激しくなるほど、ヤン・ヒョンソクは益々成功を収めていった。2014年の彼は、野心を表してからそれを本当に実現し、サバイバルで本人は非難を受けても所属歌手はスターに作り上げた。YGの新人の中でも、短期間で最も熾烈な競争を経験したといえるBOBBYは、デビュー前から他のアイドル顔負けの人気を博している。人々は、サバイバルの競争を非難しながらもそのストーリーに目を離せず、競争で勝った人に賛辞を送る。サバイバルはそれ自体がヒット商品となり、その過程で生まれるスターももう一つのヒット商品になる時代なのだ。ヤン・ヒョンソクは時代の欲望であり、自分の経営方式をエンターテインメントに作り上げた。2014年は、彼が自分の方式を押し付けることで勝利を得た。

1年が終わりを告げるこの時点で「ヒーリングキャンプ」に出演したヤン・ヒョンソクはこのように語った。「私が羨ましいのは、若さです。全財産をあげてでも20代に戻れるのであれば、私はそうします。それだけ、皆さんが持っている若さというのは本当にたくさんの機会があって、挑戦可能性がある時期です。だから、やりたいことに集中してください」。しかし彼が言う「挑戦」には激しい競争はもちろん、そこで成功しなければならないという前提がある。彼は彼の方式で成功を収め、競争は残忍だけれども勝者にはより良い結果をもたらすことができ、その過程における残忍さは成果の効率性につながると説破している。そして今、BIGBANGのサバイバル「リアルドキュメンタリーBIGBANG」が放送された2005年より彼の影響力ははるかに大きくなった。その間、社会全体的に競争は9年前より激しくなり、勝者独占構造は以前にも増して確固たるものになった。ファンタジーを動力としているアイドル産業ですらSMやYGのような大型事務所でない限り、成功する確率は高くない。アイドルは様々な活動で競争しているということを隠さない。このような時代の中で成功への渇望を表し、極端な競争を選ぶヤン・ヒョンソクは2014年の韓国の一面を見せている。これが、2014年以降YGとヤン・ヒョンソクがどう変わっていくか、どんなに大きくなっていくのか気になる理由である。

2014. 12. 9.