(インタビュー)SOL「良い音楽を作りたい思いはあるが、1位になりたいという思いはない」

2013-11-16 08:59 pm

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[매일경제 스타투데이 박세연 기자] 2006年にデビューしたBIGBANGは、5人がそれぞれ異なる個性を持つ、アイドルを超えアーティストとして成長しているグループである。そのメンバーのSOL(25歳、本名:トン・ヨンベ)はBIGBANGで「重みのある」存在感のリードボーカルとして活動しているのだが、その重みは、時に個性があまり目立たないという意味にも聞こえる。

しかし彼は2008年、皆の虚を突いてBIGBANGの中で初めてソロとして活動を行った。ソロデビュー曲『Don‘t Cheat On Me』で、大衆性と音楽性を併せ持ったという評価を得たSOLは、BIGBANGというグループの名をさらに立てたのはもちろん、彼自身の実力も見せ付けた。

その後に発表した『Wedding Dress』『Where U At』などの曲も大きな人気を博したのだが、ソロ活動を通じて明確になったのははソロ活動で見せたSOLの姿はBIGBANGとして活動する時とは異なる、SOLならではの領域があるということだ。そのような意味から、本当のSOLに会える瞬間は、ソロ活動の時であると言えるのではないだろうか。

そんなSOLが3年ぶりにソロ2ndフルアルバムでカムバックする。11月8日に先行公開された『RINGA LINGA』はリズミカルでパワフルなラップと洗練されたメロディーが際立つヒップホップ曲で、SOLのユニークな歌唱法を表現しただけでなく、ヒップホップのSWAGも溶け込んでいる。BIGBANGとも差別化されたが、彼の以前の曲と比べても確実に異なる。過去3年間、SOLに一体何が起こったのだろうか。

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.ニューアルバムでカムバックする感想は?

A.ゴールを目前にしているような気持ちだ。先行公開曲を発表したので、アルバムリリースの時期も間近に迫っている。長い間準備したので、今回のアルバムに対する愛着が深いのだが、今回のアルバムが世界に公開される日が目の前に迫っており、とてもすっきりした気持ちでもある。

Q.初めてソロ活動を行った時のプレッシャーと、今のプレッシャーを比較すると?

A.初めてのソロ活動と、今のソロ活動に対するプレッシャーは少し異なる。初めは、最初に披露する自分の姿に対して、どんな姿をお見せすればいいのかに対する悩みが多かったとすれば、今はこれまで準備してきたものがあるので、より深みのある悩みになったと言える。「過去に見せた音楽と今の音楽がかなり違う雰囲気の音楽になったらどうだろう」、または「とても似ている音楽ならどうだろう」というようなことだ。結果的には、今自分がやりたいと思い、上手に出来るものを見せるのが正解だと判断した。

Q.『RINGA LINGA』は、これまでの音楽に比べ強い感じだが。

A.準備期間が長かったので、その間の心境の変化もあり、音楽的な嗜好が変わったというか、広くなった。今回のアルバムでは、これまでお見せした姿とは全く違うものを見せたかった。また、僕の音楽のカラーがアップグレードされ、より新しくなったので、それを見せるべきだとも思った。

Q.心境の変化とは?

A.デビューしてからは、余裕のない生活が続いた。仕事が絶えず、ひたすら音楽を続けていた。音楽は仕事だと考えたことは一度もないのに、ある瞬間から仕事になっていた。自分が音楽をどうやっているのか疑問に思う時があった。そういう疑問が湧いてきた時に、BIGBANGツアーでいろいろな所を旅行し、心境の変化が起きた。自分はどんなことをやる時が楽しく、幸せなのかを考えるようになったのだ。もっと自由に音楽をしようと思うようになった。「人々がどう感じるだろう」という、他の人の視線にこだわらず、その瞬間、本当に自分の心が惹かれる音楽をしようというのが、これまでの自分の姿と最も変わった部分。

Q.カムバックの前にV.IやG-DRAGONなど、メンバーが相次いでアルバムを出したが。

A.実は、準備は僕が先にしたものの、事情があって先送りになった。しかし、僕たちがソロ活動をする究極的な目的は、BIGBANGではない新しい姿を披露することで、BIGBANGのファンだけでなく他の人々までもファンにするということである。そのため、他のメンバーのソロ活動が成功して負担になるというよりは、僕自身も新しい姿をお見せして、BIGBANGに役立たなければと考えるだけだ。

Q.アルバムが先送りになる過程で、最も悩んだ時期は?

A.時間が経つにつれ、僕がやりたい音楽に対する意志が固まりさらに強くなった。なのでアルバムを出すために、多くの人を説得しなければならなかった。その結果、自然と時間がかかった。また、自分にピッタリの時期が来た時、アルバムを出すのが正しいと思った。『RINGA LINGA』は1ヵ月半から2ヵ月前にレコーディングをしたが、その曲がきっかけとなった。アルバムの準備を終えたにもかかわらず、出なかったのは僕の時期ではなかったからで、今が僕の時期ではないかと思う。

Q.やりたい音楽、追求していた音楽があるとしたら?

A.音楽のジャンルだけを見ると、全部異なるので説明しづらい。前のアルバムが黒人音楽をベースにしたとすれば、今は聴く音楽ももっと多様になり、自然とそのスペクトラムも広まった。ジャンルは異なるが、サウンドの全体的な雰囲気に対する自分の好みは、時間が経つほどより強くなった。必ず黒人音楽だというわけではなく、ロックな感じもあればバラードもあり、ヒップホップのようなポップもある。以前のアルバムは、一つのコンセプトで曲を構成したとすれば、今は当時やりたかった、惹かれていた曲を一つ一つ集めたものになった。なので、ジャンルだけでを見れば、ばらばらだと言える。全体的なサウンドは確実に以前とは異なる。
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.ヤン・ヒョンソク代表が最も強調した点は?

A.従来の僕の姿を変えてほしいと言っていた。スタイルにおいても、これまでの姿とはまた異なる、新しい姿をアピールしてもらいたいというのが社長が協調した点だった。

Q.『RINGA LINGA』は、G-DRAGONの曲だが初めて聴いたときの感想は?

A.実は、トラックをもらって作業を構想していた時、ジヨン(G-DRAGON)が聴いては直ぐ『RINGA LINGA』のサビの部分を作ってきた。また、昔の韓国の童謡に着眼して曲を書いたら良いと提案してくれた。歌詞から始めて、全体的な部分を調整して欲しいとし、作業を始め、1、2日で曲のレコーディングまで終えた。

Q.ミュージックビデオではクレーンの上で歌う姿が印象的だった。

A.50~60メートルの高さのクレーンに直接上がった。怖くはなかったが、周りの人々がとても心配していたので、不安になった。しかし、そこに上がらなかったらそのような良いシーンは出なかったと思うので、満足している。

Q.アルバムの準備が終盤に入ったので、すっきりとした気持ちだと思うが。一番やりたいことは?

A.アルバムが出たら直ぐに恋に落ちる準備が出来ている(笑)。僕が今、最もやりたいのは、恋に落ちること、そして旅行。アルバムが先送りになったので、やろうと思えば出来たが、アルバムを考えずにはいられなかった。他のことをする余裕がなかった。今の正直な心境は、早くアルバムを出して、他のことをやりたい。

Q.YGに入ってかなりの時間が経ったが。

A.長所も短所もある。しかし、僕が好きで始めたので短所も肯定的に考えようとしている。幼い時に所属事務所に入って練習生として、歌手として生活しながら、一般的なに人々が経験できる部分を経験することが出来なかったので一層そう考えようとする部分があるけど、自分の決定について一回も後悔したことはない。歌手になろうと決心してからは、一度も後悔したことはない。

.「人気歌謡」で披露したパフォーマンス、とてもカッコよかった。

A.以前は、ディテールに合わせた、歌詞に合った繊細なパフォーマンスが多かった。実を言うと、その時のプレッシャーの方がもっと大きかった。パフォーマンスは、こうあるべきだという固定観念もあった。しかし、3年間準備しながらもっと自然にパフォーマンスが出来るようになった。良い振付師と作業ができ、不自然な部分が全く無かったと思う。今回は、全体を見るともっと自由にやっているように見えるが、一つ一つを見ると全ての要素が良く合っている洗練されたパフォーマンスになると思う。

Q.アルバムを準備する過程で起きるエネルギーの消耗はどう満たしているのか。

A.最も大きいモチベーションやインスピレーションは、そういう僕を待ってくださり、応援してくださるファンを見るとき。僕は大概、小さなことからインスピレーションを受ける。例えば自然、宇宙など。また、他の国の文化遺跡に関心が多いので、異なる人生を生きている人々の文化を見ると、非常に多くのインスピレーションを受ける。以前のヘアスタイルのうち、動物を見てインスピレーションを得たものがあるのだが、今回はサソリを見て作り上げたスタイル。アフリカの文物を見ていると影響をたくさん受ける。

.必ず行ってみたい旅行地は?

A.ブラジル、インド、チベット。

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.パク・ジニョンが、最もプロデュースしてみたい歌手としてSOLを挙げたが。

A.とても光栄。実は、パク・ジニョン先輩の曲がとても好きで、例えば『I Already have a girlfriend 』だとか、パク・ジユン先輩の以前の曲など。その当時は聞くことが出来なかったが、後に聞いてからは、その時の曲がとても好きになった。こういう音楽をやってみたいとも思った。

Q.SOLが思う良い音楽とは?

A.何であれ、人の心を動かせるのが良い音楽だと思う。多くの方の心を動かす音楽。しかし、これが本当に難しい。良い音楽は誰が聴いても良い音楽だと思う。音楽ほど、人々の心を動かすものはない。真実性を持たなければならず、誠意を込めなければならない。そうするためには、最も自分らしくならなければならず、自分の気持ちを、一番率直に表現すべきだと思う。

Q.良い音楽をやっていると思っているか。

A.まだ、やっていると言えるほどではない。少しずつ近づいている程度だと思う。

Q.「SOLらしい」ということを定義すると?

A.温かく、時にはホットな音楽。

Q.今回のアルバムがSOLにとってどんな意味を持つのか。

A.直接的な参加度が高い初めてのアルバムでもあり、僕がどんな音楽をしたいのか、そしてどんな音楽をすれば最も上手に出来るのかを、一番よくお見せすることのできるアルバムだと思う。歌手として、そしてアルバムを作るプロデューサーの立場としても、今回のアルバムが、これからの僕の未来の姿を最も良く示してくれる、基本、つまりベースではないかと思う。

Q.それでは、ソロ活動をするにおいてBIGBANGは?

A.力強いサポーター?「家」みたいな存在。例えば、ソロアーティストなら、失敗に対する打撃が大きく、発表するアルバム全てを、プレッシャーを持って作らなければならない。しかし、僕たちは、もしうまくいかないとしても、帰れる家があり、新しく準備できる力があるということのなので。そのため、メンバーそれぞれがもっと自信を持ってソロ活動が出来るのだと思う。しかし、その一方でBIGBANGが築き上げてきたことを台無しにしないように、という気持ちも大きい。それもまた、モチベーションとなる。

Q.1位になりたいという思いは?。

A.事務所にとっては、1位になると良いと思うが、個人的には1位から得られるメリットはあまりない。良い音楽で1位になるのは嬉しいが、1位だからと言って必ずしもそれが良い音楽だということではないと思う。自分が好きなこと、カッコイイことをするのはとても幸せだが、1位になって嬉しい、幸せだという気持ちはいつの間にか薄れてきた。

Q.何かきっかけは?

A.ずっと音楽をやっているうちに、本当に大事なことは何かについて知るようになった。単に1位をすることが、本当に良いことなのかという疑問が湧いてきた。自然に1位になるのは良いが、1位は必ずしなければならないというものではないと思う。

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.BIGBANGのメンバーとしてのアイデンティティーがあり、ソロ歌手SOLとしてのアイデンティティーがあると思うが、音楽的成果の質の違いがあるのか。

A.4~5年前まではそういう部分があった。僕の音楽がBIGBANGとはあまりにも異なり、そういう意味から、十分に出すことが出来なかった部分をソロとして出せたので、ソロに傾いていたのが事実。しかし、ある瞬間そういうのが無くなった。BIGBANGとしても、SOLとしても、僕が存在できるということを時間を通じて学んだ。どんな服を着ても、自分の色を出せるという自信が湧き、今ではBIGBANGとしての活動とソロ活動に大きな差は無い。

Q.歌手として活動しながら、スランプなどを経験したことは?

A.僕の最大の長所であり短所は、そういう部分に全くプレッシャーを感じないということ。僕はただ、自分が何が好きなのかを知っていて、好きなことをやっているので時間があまりかからない。しかし、僕はそういう風に考えるのがあまり好きではない。今惹かれていることを実行するのが好きなので、それを作ってから、自分が満足するまで待つタイプである。一度ストレスを受けると、かなり酷く受けるので、ストレスがたまらないように努力している。

Q.音楽的には成長しているが、人としてのSOLの成長は?

A. 今回のアルバムを作りながら感じたことなのだが、人間的な成長なくしては芸術的な成長もないと思う。自分の内面の世界を悩み続け、自分がどのような人なのかを最後までしっかりと考えることで、そのような結果が一つの芸術、音楽、絵になるのだと思う。アルバムの作業をする時にも、音楽的に成熟するためには人としての成熟が先だということを今回のアルバム作業を通じて実感した。

以前に比べ、より大切なものが何かについてももっと知るようになった。以前は音楽だけ眺めて音楽がすべてだと思っていたが、今は一番大切なのは人々であることもわかった。今自分が置かれた状況では、BIGBANGのメンバーたち、そして今の自分を作ってくれた周りの人々が最も大切であることを強く実感した。それらの人々に最も大きなインスピレーション、そして影響を与えたいというのが目標でもある。

Q.そのような大切な人々からどんな評価を得たいか。

A.これまでの、僕のアルバムとは違う、新しいという言ってもらえれば幸いだ。なぜなら、それが僕の一番率直な気持ちだからだ。新鮮だと思ってくださる方がいらっしゃるようで、とても嬉しく、幸せだ。

最も嬉しかったのは、2年前に作った曲のレコーディングを終えてからモニタリングをお願いしたのだが、TEDDYさんやジヨンが聞いてから「うらやましい」と言ってくれたこと。作る側としては、うらやましいという言葉がとても嬉しい。

Q.ペンタポート・ロック・フェスティバルにも参加したのだが、より大きいな舞台に立ちたいという思いは?

A.僕は、舞台ならどこでも良い。今すぐにでも歌うことができ、踊ることができる空間であれば舞台の大きさは関係ない。例えば、ドーム公演は大きすぎるので観客の反応を肌で感じにくく、一人で歌っているような気もする。時には、ステージと近い舞台が恋しい。ファンをより近く感じられる舞台が。

Q.練習生の時10年後を描いたとすれば、その姿と今の姿は?

A.10年前に夢見ていた姿と、今の姿は似ている部分があり、僕が描いたものを成し遂げていく段階だと思う。

Q.20代初めの頃のSOLと、20代半ばになったSOLの違いは?

A.20代初めの頃と、今は感じるものがかなり違う。来年にはまたどう変わるか分からないが、人としてより成長し、もっと経験が豊かになると思う。そして、僕の勘が当たっているとすれば、30代初め頃に歌手として、音楽的に最も大きな全盛期が来ると思っている。多分、軍隊に行ってからのことになるだろうが。まだまだだという意味ではなく、今は今のままで合っていると思う。いろいろな状況や、様々な成長段階を考えてみると、およそ5年後が、音楽的にも歌手としてもより賢明になり、道が明確になると思うので、本当の全盛期を迎える時期ではないか、という思いがした。

2013. 11. 15.