K-POP大手、YGエンターテインメントのヤン・ヒョンソク代表との単独インタビュー

2014-02-04 12:11 am
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[매일경제 이기창기자] 2014年は、YGエンターテインメントの代表プロデューサーであるヤン・ヒョンソク氏にとって特別な1年になるだろう。その理由は、多くのことに挑戦するからだ。いわゆる「PSY効果」によって韓国の大衆音楽に向けられている世界の関心は、いつにも増して高い。競争力を持っているコンテンツであれば、K-POPがいつでもグローバル市場で大ヒットできる基盤が整ったと言えよう。ヤン・ヒョンソク代表は、毎日経済新聞とのインタビューで「韓国音楽業界の歴史の中で、今が最もチャンスが多い時期」だとし「今年がYGの成功における分岐点になる」と強調した。

まず、YGの看板歌手BIGBANGとPSYがカムバックアルバムを上半期にリリースする一方で、WINNER・楽童ミュージシャン・WINNERのBチームとアイドルガールズグループなど、新人4グループを相次いでデビューさせる予定だ。過去に例を見ないほど大規模な物量攻勢である。このため、最近YGでは2つの練習室を新設している。このYGの練習室は、夜中にも灯りが消えない。また先月には、俳優のチャ・スンウォンとの契約をはじめ俳優と追加契約をする一方、YG内に俳優マネジメントの組織を新たに設けている。韓流の中核と言えるK-POPとドラマを網羅する総合エンターテインメント会社へと生まれ変わる予定だ。ヤン・ヒョンソク代表は、徹夜で働き未明に退勤する「夜型人間」だったが、今年からは朝早く出勤する「朝型人間」へと生活リズムを一変させた。ソウル合井洞(ハプチョンドン)に所在する社屋には「HAPPY 2014 YG YEAR」と書かれた横断幕を掛け、YGファミリーと共に覚悟を新たにしている。今回のインタビューは 京畿(キョンギ)道一山(イルサン)チャンハン洞にあるテレビ局の収録現場で行った。

-「Seotaiji & Boys」デビュー当時と、今の韓国の音楽業界を比較してみるとどう違うか

▶当時と今の市場は、180度変わった。もっと上手に表現できる方法があればいいけど。 Seotaiji & Boysは日本進出を試みたが、時代的に、文化的に、そして情緒的にも全く不可能だった。しかし、歳月が過ぎ市場も変化した。パク・ジニョン氏は「Wonder Girls」を米国に進出させようと大胆に試み、私も「SE7EN」という歌手を、SMは「BoA」という歌手を通じて(海外進出に)挑戦した。その後YouTubeが拡散し、米国にいる多くのアジアファンを基盤にBIGBANGやPSYのような歌手も人気を得られたと思う。

- Seotaiji & Boysが今デビューするとどうだろう。

▶時代が求める歌手というものがある。当時は「Seotaiji & Boys」が必要だった。私が明確に予想することは出来ないが、今求められているのは「BIGBANG」ではないだろうか。

-YG所属歌手のうち、PSYについて話さずにはいられないと思うが。

▶PSYにありがたい部分は、PSYが米国で注目されたことで彼と関係を結んだレコード会社や芸能事務所がYGに多大な関心を持ってくれたということだ。むしろ、私たちが提案を頂いている状況である。以前は、直接行っても会うのが難しかった方々がYGを訪れている。SE7ENを米国に進出させた時とは180度変わり、チャンスが増えた。今は、そのような会社とパートナーとして、堂々と協議を行っている。

-PSYがカムバックを控え、負担を感じているようだが。

▶感じざるを得ないと思う。PSYが(昨年末)コンサート中にこんな話しをした。「(世界的に大ヒットした『江南スタイル』で従来のヒット曲である)『チャンピオン』(の人気)を追い越すのに10年がかかった」と。『江南スタイル』によって人々の期待が高まったせいで、その後にリリースした『ジェントルマン』と単純比較をする。実は『ジェントルマン』もYouTubeで昨年最も多い再生回数を記録した。これも最善を尽くした結果だと思う。最近PSYに求めているのは「急がないこと」。『江南スタイル』をリリースした時、とても大きな人気を、急速に得たので『ジェントルマン』の時は(ニューアルバム)リリースへの重圧感もあって、気早に準備した感がある。最近はアルバムの作業が終わったにもかかわらず「もっと冷静に、きちんと準備して発表すべき」だと頻繁に話している。

-海外市場進出の計画は?

▶米国市場でアジア女性への関心が高い。正直、PSYがハンサムで大ヒットしたわけではない(笑)。米国がヒップホップの故郷であるにも、大衆的に有名な女性ラッパーがいない。例えば、2NE1の「CL」が米国に進出すると競争力があるのではないだろうか。

-プロデューサーとしての今年の計画は?

▶韓国音楽業界の歴史の中で、今が最もチャンスが多い時期。以前の、Seotaiji & Boysの時代には夢見る事もできなかった状況。私はBIGBANG・2NE1・PSYをはじめ、新人歌手らがYGを選択したのであって、私が選ばれたのだと思っている。彼らがYGに人生を懸けたとすれば、私もどうにかしてでも彼らを成功させるべきだと思う。彼らを成功させるためのプロデューシングに総力を尽くす考えである。

-YGが俳優のマネジメント分野にも進出すると聞いたが。

▶正直、演技のほうは良く分からない。しかし、会社も上場し、どんどん一つの組織になっている。必ず歌手にだけ集中すべきではないと思う。中国は大きな市場になるだろう。音楽もそうだが、ドラマの破壊力も大きいので、音楽と演技を持ち合わせれば中国で韓流が波及するスピードはもっと速まると思う。俳優の受け入れを補強しており、組織も整えている。

-YGが追求している音楽は?

▶私は、他の人とは差別化され、ユニークな「アーティスト」が好きだ。世界どの国を見ても、ヒップホップベースの音楽をしながら、それぞれソロ活動も繰り広げるBIGBANGのようなグループはいない。K-POPスターシーズン1で「イ・ハイ」を、シーズン2で「楽童ミュージシャン」を発掘し、今はアルバムリリースを控えている。この二組の特徴は、参加者のうち最もユニークな子だったという点だ。今の市場には存在しない!だからYGにピッタリ合う子たちでもある。私は、YGが新人ボーイズグループを再びデビューさせるとするならば、必ずBIGBANGとは異なるべきだと思う。第2、第3のBIGBANGを作り出しては絶対成功することは出来ない。

-K-POPスターへの愛着が大きいようだが。

▶K-POPスターに出演するのが、時間の関係上負担になっている。YGでもケアすべき歌手が非常に多いのに、番組にまで出なきゃいけないのだろうか、とも考える。それでもK-POPスターは、歌手を志望する人はもちろん、韓国だけでなく多くのアジアファンも視聴している。既に試行錯誤を経験した人が教えるので、歌手を夢見る多くの人々に役立つのではないだろうか。

-新年から「朝型人間」に変わったという噂を聞いた。

▶そうだ。今日もBIGBANGコンサートの打ち上げで朝の4時まで彼らと飲んでいた。しかし、朝9時になると自然に目が覚めた。なので、あまり寝てない。実は、今年はYGが大きな転換期を迎える年でもある。今年は、BIGBANGとPSYのアルバムがリリースされる年でもあり、YGで新人が4グループもデビューする。YGは、コンテンツを作るのにかなり時間がかかる。その分慎重だと言うことだ。YGが新人4グループをデビューさせるというと、ファンはあまり信じてくれない。嘘だと(笑)。今が、新年の1月だからかも知れないが、私の覚悟が過去数年間のうち、もっとも強い時期だ。なので、YGのプロデューサーらがいろいろ言われたり、応援されている。YGには、レコーディング室が4つあるのだが、2つを新設している。本当の音楽発電所のように作ろうと思っている。

-結婚生活は?

▶幸せ。結婚してよかったと思っている。私と性格が良く合う妻と巡り会うことが出来た。人々が一般的にするけんかや論争もなく、もう結婚5年目となった。

-妻と娘、どっちがもっと好きか。

▶(少し悩んでから)う~ん…。半々だと思う。誰かのほうがもっと好きだと言うと、もう一人はすねると思う。でも妻が先だ(笑)。

-ヤン・ヒョンソクの人生哲学は?

▶一番難しい質問だが。私は好きなことをするより、好きではない事はしないということがもっと重要だと思っている。YGの強烈な力は私たちが好きな事だけをやる、という点から出ている。今も、BIGBANGとは友達のように過ごしながら、彼らが嫌だと言うことは無理してさせない。お金を稼ぐために音楽を作ろうとは考えた事もなく、そうしたくもない。『江南スタイル』も自分が好きで作ったからこそ人気を得たと思う。私たちが好きでやっていることだからこそ、大衆も好んでくれるのだと思う。「愛してる」という言葉も、言っている人が真心を込めて言わないのであれば、それを聞く人も愛しているとは受け入れない。

■ He is…

ヤン・ヒョンソクはソウルの梨泰院(イテウォン)で伝説的なダンサーとして名を馳せた。彼の名声を聞いてダンスを学びに来たソ・テジにチーム結成を提案し、1992年「Seotaiji & Boys」としてデビューした。1996年、YGエンターテインメントの前身である「ヤングン企画」を設立し、プロデューサーの道を歩んだ。その後、Wheesung・SE7EN・BIGBANG・2NE1などを相次いでデビュー・成功させ、YGを韓国トップの芸能事務所に成長させた。

思慮深く、気性が良いというのが周りの人の評価。YG所属歌手にとっては、厳しい先生であり友達のようなメンターである。歌手イ・ウンジュと9年恋愛の末、2010年に結婚した彼は、最近娘が歌ってくれた曲を番組で公開し「娘バカ」としても有名になった。特に勉強をしたことは無いものの、芸術分野のセンスがあり、彼が選ぶ作品は全て該当分野の最高の作家のものだと言う。綺麗なフォーク一つであっても、30分以上眺めながら一人で感嘆する「感性派」である。最近、米国の音楽雑誌である『ビルボード』誌はヤン・ヒョンソク代表を韓国人としては唯一「世界の音楽市場を動かす人物100」として選んだ。

2014. 2. 4.